犬がすぐにお腹を見せる
前後の様子を観察すると
バタバタ・・・・。そしてお腹を見せる。それから前足の片手をお手するかのように何度も動かして飼い主の腕にかけようとする。
まあ、これは自分が下なんですよ。という行為でもあり、そして喜びで興奮しているときでもあります。
群れの中で見てみると、明るい性格の子で、下位の立場の子が、上位(リーダー的存在の子しかみない)の子に対して遊びに誘っているときでしょうか、そのようなときによく見ることが出来ます。
私に対してはバタバタしてお腹見せるようなことはほとんどありません。
言ってみれば、じゃれてきたとき、相手して欲しいときにする行為なのですが、私の場合、それが大嫌いなので止めさせるようにしています。
まずは喜びに溢れて興奮状態を落ち着かせないと、教えていくことが出来ません。このときにお腹を見せたからといって、お腹を撫でてあげるのでしょうが、愛犬は更にヒートアップし、バタバタバタバタと更に興奮するのではないでしょうか?そして前足のどちらかを飼い主の腕にかけて、引っ張り寄せるような、もしくは力んで腕の上に載せているような感じの行動を取りませんか?
まあ、見た目的に私は嫌いですし、落ち着き無くバタバタとするのですから、いくら何を言ってもほとんど聞いていないんですよね。
何事も愛犬が冷静でいられるような付き合い方をするのが、大型犬飼育者にとって後々楽なんですよ。
そうしてそういった落ち着きのない子の行動が生まれるのかというと、それは生活環境なんです。
たとえば、留守にしていて家に帰ってきたとき、一生懸命に喜びを表し、できるだけ飼い主の顔を舐めようと飛びかかってきませんか?
これを許すか許さないかは、飼い主さん次第なんです。この行為を許していると、大きくなってもずっとバタバタと落ち着かない子になってしまいます。結構長い時間飛びかかって喜びを表すようになります。
現に、里帰り制度を設けていたときに、色々な子をお預かりしていますので、そういった行動にでるのかそうでないか、そしてどのような生活を送っていたかよく解るのです。個性と言えば個性です。無邪気に喜びを表してくれますから。
でも・・・・、人だったら見境無くやられてしまうと困ってしまいますよね。お年寄り、小さな子供。確実に倒れてしまいます。また、そのくらいの喜びを表現しますので、飛びかかってきて体重をかけられでもしたら、足腰の弱いお年寄りはたまったものではありませんよね。
名前を呼んだだけで喜んで興奮して、そして飛びかかってくる。もしくはソファーや椅子に座っていても、バタバタと飼い主の膝の上に乗ってくるような・・・・さて、これをどうとるべきか、非常に悩みます。
大型犬ですからね。その行動がとても嬉しくて飼い主は喜んでそうさせている人、その子の行動を見ているとすぐに解ります。
やはり、そのような生活環境ですから、たとえばその子が生んだ子たちも、同じようにじゃれてきたとき、膝の上に乗って甘えることを許してしまうと、そりゃ~大変ですよ。
ウチは色々なタイプのブリーダーさんの犬を、福岡に呼び寄せて群れでの生活を送らせながら、犬の社会性を学ぶために刷り込みを入れていますが、生後2ヶ月程度でも、すでに各ブリーダーさんのクセがでてしまっているんですよね。とくに飛びかかって甘えてくる子、すぐにお腹を見せてバタバタとしながら、しつこく手を咬んできたり・・・・、これを矯正しないといけません。基本、私は必ず身体をすり寄せてくる甘え方しかさせません。
そうしないと成長後、バタバタと落ち着かない子になりやすいですし、我が儘し放題、喜びいっぱいですから飼い主の声が届いていないんですよね・・・。そういった子に成長しやすいため、影ながら努力をして、人間に対しての甘え方を教えているんです。これが人間の社会性。犬の社会性とは異なるため、これらのことを幼犬のときから教えているわけです。
それでもお渡し後、やっぱり飛びかかって甘えてくる子、落ち着き無くバタバタとしながら、注意されるとクルっとお腹を見せ、落ち着き無くバタバタとしてしまう子に育ちます。飼い主さんがそれで良いなら良いんです。
でも、お預かりしたときや、交配できたとき、そのような行為を何度もされると、いい加減にしろ!って注意するんですが、逆に興奮状態に入り、更にエスカレートしてしまうんですよ・・・・。
お腹を見せても喜んで興奮して、そのお腹を見せる意味を遊びとしか思っていないんです。
お腹を見せる行動も二種類あります。一つは本当に死んだように動きません。もう一つはここに書いている遊びの中で見せる行為。いずれにしても自分が下位ですよっていう意味なんですが。
それでも後者の行為はちょっと覚え方が違う・・・。まるで遊んで貰っているかのように、遊びに誘っているかのように・・・。まあ、お腹を見せるとほとんどの人がお腹を撫でてあげますよね。気持ちよさそうにしていますよね。
まあ、私の場合、触られると緊張していますが・・・前者のパターンです。そうするといつの間にか、お腹を触って貰うまで、ずっと要求をしてくるようになるのです。それが前足で飼い主の腕を自分のほうに引っ張ったり、いくら注意しても逆に興奮したり・・・。
本当は注意すると、パっと冷静にならなければなりません。それが飼い主のその注意の声の質を聞いただけで勘違いして更に興奮するんです。
この繰り返しが、誰にでも同じ要求をするようになり、結果我が儘・甘やかしとなってしまうんですよね。
こういった子の行為を変えるには、まあ完全には無理でしょう。だって飼い主が喜んでいるんですから。
こういった事をしたとき、私は押さえ込みます。そうすると逃げだそうと藻掻くんです。勝手に動けないから。
でも絶対にその姿勢を保たせ、尾を振ることだって許しません。
ただ、黙って押さえ込みます。もちろん力一杯ではなく、動かない程度の力加減ですが。
そうやって、興奮から冷静になるようにしむけ、そして冷静になってから注意するんです。ダメだ!って。
興奮状態でダメって言っても、まったく意味がないんです。喜びと興奮では覚え方が違うんです。
冷静に喜ぶような状態にするのです。興奮して喜んでいるときは、まったく何も覚えません。
冷静に喜びを与えると、集中力、これがついてくるんです。
この集中力こそ、信頼関係の表れなんです。この集中力の無さが、勝手な行動に繋がるのです。
飼い主の声に対して興奮する。これをなくさないとダメなんです。興奮しても構わないから、飼い主の声を聞くとその時すぐに冷静になって落ち着くようになる付き合い方をすれば、信頼関係が非常に強く築き上げていけるようになります。
そうなると、飼い主の声の質を聞き取り、冷静になるか、それとも楽しいことが待っているのか、判断付くようになるんですよね。何でも遊んでくれると勘違いしている子、それは完全に「甘やかし」ているのです。
「優しさ」と「甘やかし」は、紙一重のようであり、実際はそうでないんですよね。
そのへんの区切りをしっかりとして付き合うことが一番なんですが、これは犬の行動や仕草によって犬の気持ちをりかいできるようになると、「優しさ」と「甘やかし」の区別がはっきりと理解できるようになります。
まあ飛びかかっても構いません。そのときに「止めろ!」そうひと声かけると、冷静になり、あとは身体をすり寄せて甘えてくる。そんな子のほうがとっても飼育しやすいですよ~。
ご見学に来られた方はご存じだと思います。誰かが飛びかかって肩に前足をかけてきたとき、私の注意でさっと止め、そして身体をすり寄せてくるでしょ?
一瞬の興奮で終わらせること。これが重要なのです。
お腹を見せても冷静でいられる子はこの行為、まったく問題なしです。
しかし、興奮してバタバタとお腹を見せてくる子、これは早めに止めさせた方が良いと思います。
ご自分の家庭では通用しますが、他の人には通用しない、どちらかというと「うっとうしい」と取られることがありますから。
これは子犬のうちから教えることです。まあ大きくなっていても構いません。
子犬を抱っこすると嫌がったり、手を甘噛みしてきたり、藻掻いたり、その行為を絶対にさせないことです。
ずっと抱きしめたままにしておいてください。
ただ・・・・、オーナー様が刷り込み期間中に子犬に逢いに来られて、上の3行しかお話ししていないと、やっぱりあばれます。
そこで私がやり方を説明すると、大人しくずっと抱かれたまま、やがて眠くなってしまいます。
この違い、実は犬の言葉(ボディランゲージ)を取り入れてやりますので、割と簡単なんですが、無理矢理力ずくてやってしまうと、どうしても暴れてしまうんですよね・・・。
これは直接その場で抱っこしてお教えするしかない・・・いくら成犬でも・・・。
そうすると、冷静になりますから。
といいますか、これはヒントであり、やり方は犬の言葉を理解してやってみてください。
大きなヒント。「目」「前足」なんです。
犬がお腹を見せる。大変結構です。
でもその前後の行動によって、甘やかしているかそうでないか、差がはっきりとでます。
バタバタと落ち着き無いお腹の見せ方をする子は、冷静になってお腹を見せることを教えて下さい。
それには本当の甘え方を教えてあげるのが良いです。それこそ犬の言葉を使って、愛犬を座らせ真横から抱きしめてあげて、つねに冷静にさせてください。これを繰り返し行いない、クセにしてください。そうすると身体を寄せて甘えてくるようになります。といいますか私の子も一人そんな子がいましたから、そうやって教えました。
ちなみにその子はフェニックスです。