秋田犬に咬まれて犬に吠えるようになった
ホワイトシェパードのオーナー様で、とてもしっかりと明るく何も動じなく、人や犬が大勢いても目の前で堂々と横たわって寝るくらいの理想的な一般家庭犬に成長していた子だったのですが・・・・。
オーナー様と散歩中に、秋田犬を連れて散歩していたおじさんが、わざと秋田犬からリードを離し、けしかけさせ、ホワイトシェパードを襲って噛みつかせたそうなのです。
それ以来、犬を見かけるとけたたましく吠えるようになってしまい・・・。
そこで、わざわざ遠方からお越しになりました。
確かになるほど、吠えて噛みつきにいっている・・・。
余裕の無さ。不安・緊張・唸り・噛みつき。
しかしどれも中途半端なのです。これは明らかに秋田犬で得た犬に対しての間違った認識を行動で表していました。そして同じお勉強会に遠方から参加された子に対して、見事に余裕の無さを表し、耳を噛みつく・・・。
群れの中に出して、そして様子を見ていても、・・・ただ不安一杯でどうして良いか解らない。でも芯からの不安を感じていない・・・。神経質なところはまったくなかったんですね。ただ、あの経験が心に余裕の無さを植え付けてしまっていたんですね。もう一人の子も、不安でいっぱいらしく、二人で仲良く隅のほうに並んでいました。
オーナー様がガラス戸を開けると一目散に向かってきて、急いで部屋に入り込もうとする二人。
あまりにもの激しさに、その場で落ち着いていられること。これをやろうと思い、
その二人に私を意識するように私を教え込むことをやりました。
まずは群れの中でうじゃうじゃといる中で、フセをさせる。そして絶対に動かせない。
まあ、簡単。この子達二人ともすぐに意識しだして、まったく身動きせず。
さすがソニックの子。とても穏やかな心を持っている子たち。
周りを意識させず、ただ私を意識させることにより、不安でいっぱいになった心を、いつものように冷静な心に落ち着かせること。
このことにより、ガラス戸を開けても入ってこなくて良い落ち着きを取り戻したのです。
この後から、この子二人は群れの子たちの様子を、落ち着いて観察できる冷静さを取り戻したのです。
この冷静さが一番大切なのです。秋田犬に咬まれた子も、最初だけ遠方からお越しのその子に対し、余裕の無さから耳を囓っていたのですが、たったそれだけで、あとはまったく咬んだりせず、唸ったりもせず、群れの中ですごしていました。
あんなにパーフェクトな性格で、誰に対しても優しく接し、犬に対してもまったくケンカをふっかけることもしない子でしたが、それを常識のない馬鹿な飼い主が秋田犬をけしかけ・・・。
近所でも有名だそうです。何人もやられているそうで・・・。
今まではとても良くできていた信頼関係。
これから砂浜へと移動し、そしてそこでお勉強会を兼ねたお食事会。
そこで秋田犬に咬まれた子とオーナー様との関係を観察しておりました。
お勉強会で何人もお越しの方々の中でも、完全に恐怖・不安に対しての余裕のない威嚇。
それを止めるお母さんと二人の関係の崩れ・・・。不安から完全にお母さんの存在を忘れてしまっている・・・。
これをより強いものにしようと、まずはオーナー様に頼っていく子にしなければなりません。
意識を高めさせること。
お母さんは必死で砂まみれになりながら、やってらっしゃいました。まず飼い主を理解させること。
これが大切で、いかにオーナー様が自信を持っているかを認識させなければいけません。
元々がまったく問題ない明るすぎて落ち着きもある子でしたので、昔の自分を取り戻すようにするためには、やはり強いオーナー様であることが大切なのです。
歩いている犬に対しての意識よりも、オーナー様に対しての意識が強ければ、その子も冷静に歩けるようになるのですから、相当頑張ってらっしゃいました。冷静になれば、今まで不安一杯で目の前のことが見えていなかったことが、急に違ったものを見ることが出来る余裕が生まれます。そこで再認識するのです。あ、大丈夫だった・・と。
秋田犬から咬まれたことにより、意識が常に犬に対して向けられるようになり、それで余裕の無さと威嚇行為に走っていたのです。
その不安でいっぱいな心を助けてあげるのが飼い主。気づけば余裕も出てきて、引っ張りもなども解消するのです。
そのオーナー様は相当頑張られていました。
そして翌日の朝、お帰りになりました。
後日電話があり、犬に吠えなくなったとのこと。
おそらくまだ完全ではありませんが、オーナー様に対する意識がだんだんと強くなるにしたがって、また元の余裕を取り戻すことでしょう。
本当はあといくつかやりたいことがあったのですけどね~。それは次回お会いしたときにでも・・・。ウチの群れの中で、ケンカをふっかけるような子はいませんので、その中に入り、自分で気づけば、また変わってくるんですよね。そして元気に群れの中で遊ぶようになる・・・・お勉強会の子がそうでしたから。心の余裕を作ること。これって男の子はとっても大事なことなんですね。